「そんな、すぐ寝られるはずないじゃん」


 大体、今さっきまで寝てたわけだし。私はちょっと呆れながら、当たり前のことを指摘した。
 すると彼は口元に薄く笑みを浮かべて、ぐっと親指を立てる。


「大丈夫、やれば出来る。だから今すぐ寝ろ」


 確かにやれば出来るだろうけど、そういう問題じゃなくて。そして、いつの間にか上から命令されているのだけれど、突っ込んだ方がいいのだろうか。


「なにを根拠に……ていうか、なんで? なにするつもり?」
「夢の中で話すんだよ」
「話すって……さっきみたいに?」


 そう、と彼は頷いた。