すたすたと歩いて、こちらに来る転校生。

あたしは、同じクラスの女子の目線が、

・・・とてつもなく、痛い。


先生め・・・、どうしてくれんだよ。

「隣、よろしくな~。」

やっぱり笑顔の転校生。
名前は・・・、やましろ きょうやだっけ。

物覚えの悪いあたし。

そんなこんなで、さっそく授業がはじまった。



1時限目は、数学。
ノートを真剣に取っているあたしに、転校生が話しかけてきた。

「ねぇ、君。名前、なんて言うの?」

まただ。この営業スマイル。
あたしはこの笑顔を、信じられない。

「・・・清瀬 万琳。」

めんどくさいから、一応答えておいた。
隣の席だし・・・うん。

そんなあたしの名前を聞いて、転校生はなぜかうれしそうな顔をした。