3人が振り返る。
「なんですか? まだ僕達に用でもあるんですか?」
 相沢が一歩前に出る。
「ダチをコケにされて黙ってられるほど人間できてねぇんだよ」
「ダチ? ハハッ。そんなにお友達想いなら彼から身を引いた方がいいんじゃないんですか? その方がよっぽど彼のためですよ。身の程を知れ」
「なに!?」
「僕の言ってる意味わからないかなぁ? 脳ミソ軽すぎて。これだから頭の悪い奴は嫌いなんだよ。身分をわきまえろってこと。僕達とアンタじゃ生まれも育ちも頭のデキも違うんだよ! 住む世界が違うんだよ! 僕達上層階級の人間にオマエらみたいな下層階級の人間が立ち入る隙間なんてないんだよ!」
 リュウは薄ら笑いを浮かべた。
「な、何がおかしい!?」
 それが相沢の癇に触った。
「かわいそうだなぁと思って。かわいそすぎんぜ、オマエら」     
「カワイソウ? 僕達のどこが可哀相だと言うんだ!? オマエらの方がよっぽど……」
 リュウは耳障りな雑音を遮るように言葉をかぶせた。
「頭が良いとか悪いとか、身分が上層だとか下層だとか、せめぇ社会で迷走してんなぁ? 少なくとも俺のダチにそんなこと言う奴は一人もいねぇぜ? そのマキオが“落ちた”だと!? 落ちてんのはテメェらだろうが!!」