カナの痛恨のストレート。マキオの心は読まれている?
(エスパー? エスパー魔美!? いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない。この女《カナ》は嘘をついているんだ。そうだ、そうに決まってる。僕を陥れようとしているんだ)
「嘘じゃないわよ」
「か、風邪でも引いたのかなぁ?」
 マキオはノーダメージをアピールした。
(エスパー伊東? じゃないエスパー魔美? エスパー魔美なのか!? この女がエスパー魔美ならリンちゃんはクリィミーマミか!? いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない。推測では25%の確率でありえたことじゃないか。たまたまそれが当たってしまっただけのこと。そう、これは想定内だ。ここで動揺したら僕の目論見がバレてしまう。ならば、悟られなければ問題ない)
「大方、リン目当てにわざわざお店に来たんでしょうけど、お生憎様。コーヒーなんか頼んでカッコつけちゃって。しかも最高級のブルマンなんて生意気よ」
「リュ、リュウはまだかなぁ?」
 マキオはクリンチに持ち込もうとした。
(バレてるぅぅぅ!? この女はエスパー魔美なんだ! で、リンちゃんはクリィミーマミなんだ! クリィーミーマミは普段は普通の女の子だけど魔法でアイドルに変身するし、リンちゃんもアイドルみたいにカワイイし、そうか、リンちゃんはクリィーミーマミだったのか……)
「図星でしょ? 今日は私と代わったの」
「かっ!?」
 カナの連続ジャブ。マキオはコーナーポストに追い込まれた。
(代わった? 何をだ? シフトをか? シフトを代わったのか!? どんな裏技を使ったんだ!? 上上下下左右左右BAか? コナミコマンドを使ったのか? 想定外だぁぁぁ!! 落ち着け。落ち着くんだ真樹夫。この女が嘘をついていることだってありえるんだ。てことはリンちゃんが来ることだってありえるじゃないか)  
 誤算? いや、まだ可能性はある。午後5時57分現在、リンの出勤確率はミクロ微粒子。