“カランカラ~ン”
「Hello! May I help you,sir?」
迎えたのはマダムではなくヒビキだった。マキオは店内を見渡した。リュウの姿は、ない。
「マキオくん……」
リンが心配そうな顔でマキオを見つめた。
「マダムは? カナちゃんは?」
せかすようにマキオが訊いた。
「マダムはカナとリュウさんの実家に……」 言いづらそうにリンは答えた。
「アンタがマキオね?」
ヒビキがカウンター越しにマキオに話し掛けた。
「そうですけど……」
「コレ」
そう言ってヒビキはカウンターのテーブルに1枚のチラシを置いた。マキオはそのチラシに目をやった。
「これって……」
「そう。ドアー・オブ・ザ・ドラゴンのフライヤー。今度のライブで配布する予定だったものよ」
「これが何か……?」
「ココ見て」
そう言ってヒビキはチラシのある部分を指差した。マキオはその部分に目をやった。
「URL?」
「そう。ドアー・オブ・ザ・ドラゴンのホームページ。ここにはリュウのブログにリンクが貼られてるの。ブログにはバンドを結成する前からの書き込みもあるわ」
「……」
「アンタがリュウと出会った時のこともね」
ヒビキは笑みを浮かべながらマキオを見つめた。
「ありがとうございます!」
マキオはチラシを手に取り店を飛び出した。
マキオは走った。脇目も振らずに走った。下を向き、必死で走った。下を向いたのは以前のように人の目を気にしてじゃない。一刻も早く友の“声”を、リュウの“言葉”を聞きたい。その一心で――。
「マキオ!」
マキオは自分の名前を呼ぶ声に足を止めると、前方に立ちはだかる人影に気がついた。
(リュウ?)
もしかして? マキオはゆっくりと顔を見上げた。
「Hello! May I help you,sir?」
迎えたのはマダムではなくヒビキだった。マキオは店内を見渡した。リュウの姿は、ない。
「マキオくん……」
リンが心配そうな顔でマキオを見つめた。
「マダムは? カナちゃんは?」
せかすようにマキオが訊いた。
「マダムはカナとリュウさんの実家に……」 言いづらそうにリンは答えた。
「アンタがマキオね?」
ヒビキがカウンター越しにマキオに話し掛けた。
「そうですけど……」
「コレ」
そう言ってヒビキはカウンターのテーブルに1枚のチラシを置いた。マキオはそのチラシに目をやった。
「これって……」
「そう。ドアー・オブ・ザ・ドラゴンのフライヤー。今度のライブで配布する予定だったものよ」
「これが何か……?」
「ココ見て」
そう言ってヒビキはチラシのある部分を指差した。マキオはその部分に目をやった。
「URL?」
「そう。ドアー・オブ・ザ・ドラゴンのホームページ。ここにはリュウのブログにリンクが貼られてるの。ブログにはバンドを結成する前からの書き込みもあるわ」
「……」
「アンタがリュウと出会った時のこともね」
ヒビキは笑みを浮かべながらマキオを見つめた。
「ありがとうございます!」
マキオはチラシを手に取り店を飛び出した。
マキオは走った。脇目も振らずに走った。下を向き、必死で走った。下を向いたのは以前のように人の目を気にしてじゃない。一刻も早く友の“声”を、リュウの“言葉”を聞きたい。その一心で――。
「マキオ!」
マキオは自分の名前を呼ぶ声に足を止めると、前方に立ちはだかる人影に気がついた。
(リュウ?)
もしかして? マキオはゆっくりと顔を見上げた。