「わりぃわりぃ」
 リュウがマキオのもとに駆け寄ってきた。
「随分早かったね」
「まあな。そんな時間の掛かることでもねぇし」
「何してたの?」
「ノイズリダクション」
「ノイズリダクション?」
「まあまあ、いいじゃねぇかそんなこと。どうでもよ」
 リュウはそう言いながらマキオの右肩に腕を回してきた。いくら友達になったとはいえいい気持ちはしない。マキオが勇気を出してリュウの手を振り払おうとした時――
(血……!?)