『カフェ・オレですか?』 マフラーとコートを背もたれにかけて椅子に腰掛けたタイミングでマスターに声をかけられる。 『……達也と待ち合わせしているから、達也が来てから頼んでいいかしら?』 マスターは無言で静かに頷くと、カウンターに戻って行った。 午後4時5分一一。 『さて、達也は何時に来るかな?』 わたしは溜め息と一緒に呟くと窓の外に目をやった。 ・