外は一面の銀世界だった。 来る時と同じように、灰色の空を見上げた。 涙で熱くなった瞼に、ひんやりと雪が染みてくる。 『そうね、消える訳じゃない一一』 瞼をそっと閉じて、わたしは呟いた。 きっと、愛も……染み込んでいくんだわ。 瞼に降りる冷たい雪が、心地いい。 儚く消えていくだけのものなんて、きっと無いんだ。 ・