達也が愛してくれたままのわたしでいたかった。


達也が側にいてくれるだけでよかった、あの頃のわたしでいたかった。


変わりたくないと願い続けていた。


でも、人は変わってゆく。


見失った訳じゃない。


きっと、愛する人は新しい宝物を見つけただけ一一。


わたしは最後に達也を見つめた。


愛している。


あの頃と変わらずに。


別れたくない一一


なぜ?


なぜ、二人の愛は終わってしまうの?



わたしを見つめ返す達也に微笑んで、わたしは言う。


『出会えて、よかった』


沸き上がるいくつも想いを、一言に変えた。