『ねえ、達也……初めてわたしをこの喫茶店に連れて来てくれた日のこと、覚えてる?』


コーヒーカップをソーサーに静かに置きながら、達也の問い掛けをはぐらかす。


『……覚えてるよ』


少しおいて、達也は言う。


思い出して欲しい。


二人、目が合うだけで幸せだった日々。


忘れないで欲しい。


わたしが、達也を大好きだったこと……。


流れるJazzの音色はあの頃と変わらぬまま、いつも二人の愛を優しく奏でていた。


達也との愛が、リフレインする。