『お前、そんな泣く程笑うところか?』


泣き笑いするわたしに、達也は驚いたように言う。


わたしは両手で頬杖をつき、


『だって、嬉しいんだもん』


笑ったまま答えた。


まだ止まらない涙。


嬉しさと背中合わせに淋しさがあった。



達也は目の前で笑うわたしを優しく見た。


『亜由美、これからどうする?映画でも行く?』


わたしの決意に気付いていない達也は、目の前のわたしに問い掛ける。



恋人への、優しい問い掛け。


変わらぬ愛を信じてしまいたくなる。