『お待たせしました』


マスターが持って来たカップを達也の前に置いた。


「ありがとう」と言う達也に笑顔を見せ、マスターはカウンターに戻る。


『あれ?亜由美もブレンド?珍しいな』


達也が意外そうに声を上げた。


『苦いのはダメなんじゃなかったっけ?』


『うん、今日は特別』


『特別?』


わたしは達也の目を見て、言った。


『半年ぶりだね、達也』


コーヒーカップを口につけたまま、達也が言う。


『亜由美、少し痩せた』