「何割りにする??ウーロン?」


リョウはやっぱり無言でただ首を縦に振り、店内をキョロキョロと見回していた。


俺はグラスにアイスを入れ、お酒を作りながらいった。


「マスターはーもう少ししたら来るみたいだよー」



話をかけてるのに、リョウはまるで知らん顔で俺にそっぽを向く。



嫌なタイプだった。



「俺と会うの初めてだよね!!あっ、これ俺の名刺!!」



名刺を受け取り、じぃっとそれを見た後、顔をあげた



「真央って名前、女の子みたい」



リョウがそう言った瞬間、店の扉は荒々しく開かれた。


この店のマスターだった。隣にはいかにも水商売しています風の女を連れていた。


金色の巻き髪。露出の極端に高い服装。素顔の全く見えない厚化粧。


「リョウ!!来てたのか!!」


マスターがリョウの肩に微かに触れ、笑顔を見せる。
隣の女はリョウを睨み、少し間の空いたカウンター席へと腰をおろした。


二人がカウンターに並ぶと、三流ドラマのヒロインと悪役に見えて、俺は心の中で小さく笑った。