「ねー寝た?」


「寝た」


限りなく不機嫌に答えたつもりだったけど、リョウは上機嫌に笑っていた。


「ふふ」



「何だよ」


頭から被っていた布団を手で払いのけ、俺の上のベッドに寝ていたリョウを睨んだ。


すっかり朝になっていたので、リョウの表情はハッキリと掴める。


仰向けになり、天井を見上げたまま、やっぱりリョウは満足そうだった。



「実は真央のこと知ってたぁ」


「は?」


またまた脈絡のない言葉に、俺の頭の中はハテナマークで覆いつくされる。


こんな意味不明の、主語を使わない女は初めてだ。


俺をからかっているのか。はたまた真剣そのものなのか。


リョウは掴めない。



仰向けになっていた体を横に向かせ、リョウは俺をじぃっと見た。


「ね!だってホワイトの宣伝広告に、真央顔だししてたでしょう?!」