すると後ろからものすごいスピードで
自転車がやってきた。

その自転車、私と沙良の前で
ピタッと止まった。



ビックリしている私たちをよそに
その自転車に乗ってる人は
こう言った。


「…乗るか??」

……
「「はぁ!?」」

私と沙良の声がハモった。

その男、私の中学校でも有名な
不良たちのトップに立つ
木山圭-キヤマ ケイ-だった。


「ええから乗れって♪」
「えっ…??」

圭は身長148センチ体重36キロの私を軽々と持ち上げ
自転車の荷台に乗せた。

そして…勢い良く
自転車を漕いだ。


沙良をその場に
置いたまま──…