『もっと歌え~!ってか歌って下さい☆。』


お客様が上げてくる。

『ちょっと待って下さいょっ(笑)、休憩させて~!。』

そう言って私はお客様のグラスの水滴をハンカチで拭いた。


『サヤカちゃーん』

オーナーだ。

『あっちの若い背の高い子がサヤカちゃん指名してきたわ。』


『あ、ハイ。すぐ行きます。』


指名してくれたのはあの人だっ。

私はお客様にごちそうさまを告げ、いったんメイク直しに行った。




顔がニヤニヤしている。

キモイ~。

自分でサヤカをちゃんと叱ってから、あっちのボックスへと移った。




『失礼します。はじめまして、サヤカです。』


ニコッと笑顔でご挨拶。




2人のオジサマとまずは女の子と一緒に会話をしていく。

『サヤカちゃん歌うまいなぁ。』

『いやいやっ、そんな事ないですょ~。ただ洋楽が好きなんですよ。』


『そっかぁ~!こいつも洋楽ばっかり聴いてるし、気ぃ合うかもなぁ!。』



オジサマがうまくふってきた。