そんな母さんは怒ると素が出る。


お馬鹿みたいなのも素だけど。


人が変わるってか、なんつーか。





学生時代に戻った母さんが幼きアタシに容赦ないおしおきで…


ブルッと背筋に寒気を感じる。


…ちっさぃころの嫌な出来事って忘れられないもんだな。





「玲~聞いてるのぉ?」




NY行きの件を思い出していたため返事をしないアタシに問いかけてきた。


放置されるのは嫌いらしい。




「わかってる。もう準備はしてあるし。明日朝早いんだろ?風呂入って寝るわっ」




これ以上喋ると精神的疲れが増える。


って判断したアタシは話を切り上げて、はぁ…と聞こえないくらい小さくため息をついた。


逃げるように母さんの返事も聞かずその場をあとにした。




明日から一週間かぁ…長ぇなぁ。


せっかくだしNYを満喫してくるかっ!