次々と聞こえてくる会話に、心臓がドクンと脈を打つ。 莉乃が告白を受け入れる? って事は付き合うって意味? 「あ。橘って手ぇ早いんじゃなかったっけ?」 ダッ──── 俺は、頭でちゃんと考えて行動する人間じゃねぇから。 身体が先に突っ走っていく。 とにかく莉乃のところに行かなくちゃって。 "走れ"って俺の何かが叫んでるんだ。