パンッ─── 左頬に痛みが走った。 目の前に居る莉乃は、大きな瞳から涙を流していた。 莉乃の泣き顔なんて初めて見た俺は、酷く後悔した……。 何であんな事言ったんだろう…。って。 「……お前お前ってうるさい。 日向なんて大っ嫌い!」 そう言って莉乃は飛び出して行った。 俺は追いかける事が出来る訳でもなく、ただうつむいた。