「新しい恋ないかなぁ?」
隣でつまらい顔をして
買ってきた焼き蕎麦パンを頬張っている
親友の"さおり"
「さおりはすぐ浮気するからでしょ?」
さおりの額に軽くデコピンをした
「いたっ!浮気じゃないもん。恋だもん!
 美衣は全然恋しないよねぇ」
さおりはじっと美衣のほうを向いてニヤリと笑ってから
コーヒー牛乳を一気に飲んだ
確かに、わたしは恋してない。
むしろ恋なんて無意味、無理なものだと想っている
「そうだぁ!いいこと思いついたぁ」
こういうときのさおりの思いつきは
ありえないことばかりだ。
「はあ・・、何するの?」
不満げにため息を漏らした
「先に彼氏げっとした人が勝ちね?
で、負けたら何かをおごるの?よくない??」
「そうだね!いいかも」
ただ平凡な毎日にあきあきしていた美衣は
少しスパイスが欲しくて、簡単にそのゲームに参加した