「遼、俺こっち。じゃあな」


「うん☆じゃあね」


秀くんもいなくなってしまった。



…てことは…

遼と2人っきり?!




「…なあ」「…ねえ」


同時に言う。


「「そっちからいいよ」」



またシンクロする。


2人で笑う。



「坂口からいいよ」


「…あれ?なんだっけ…?
忘れちゃった」


「あはは、なんだそれ」




本当に忘れてしまった。

あたし緊張に弱いからなぁ…。


なんて、勝手な言い訳。


「坂口ってさ、好きな人とかいる?」





……?!?!





遼にまで好きな人の話をされると、どんな反応をしていいかわからなくなる。



「あたし?ん~…
わかんない」



里織の時と同じ答え方をする。



「まじで?」


「うん♪遼は?」


「…俺?!」





聞いちゃった…

遂に聞いてしまった。



心臓の鼓動が速くなる。



「ん~…いるかなぁ」


…いるんだ。

遼、好きな人…。


それはそれでショックだった。



なんてわがまま。



あたしは自分がどうしたいのか分からなくなってきた。