自己紹介しよっかな…
と、なんとなく思った。



「坂口美緩です。どうも♪」



名前だけを言うだけの簡単な自己紹介。



男の子と話すことって、そうそうないから何を話していいかわからなかった。



無言のまま4人で歩く。



「あ…俺家ここだから…」


有太くんが言う。



「「そうだな。じゃあな~」」


遼と秀くんが言う。




有太くんの家だと言っている方を見ると…




見て驚いた。




いかにも高級そうな車が停まっている、3階建ての洋式の家があった。




「…これ…家?!」




あたしは驚いた。

こんな家に住めるくらいのお金持ちが同じ中学校にいたということに。



「うん。有太ん家でっかいよな…」


「ね…ちょっと尊敬」



それからしばらく3人は家の話で盛り上がっていた。



あれから、けっこう歩いてきた。


どこまで来たんだろう?



あたしにはここがどこかわからなかった。




あたしは自分の家とは逆方向に歩いてきたから、自分の居場所がわからなくなってしまったのだ。