それからは強引に、翼に手を引かれ…楠木公園が見えるほど、近くにきた。 「翼…なんなの?」 「………」 「ねぇってば!」 「…未由って、昔とホント変わんねぇのな♪」 「は???イキナリこんなとこ、つれてきて…なんなのっ?」 強く握られていた手を離れ、クリの木に近づく翼。 それを追うあたし。 「覚えてるなら分かるだろ?」 「…ぅ…ん…」 木の前で立ち止まり、あたしの目を吸い込むように見てきた。