この気持ち届いてる?




どうなるのかな・・・



死んじゃったりしないよね・・・



まだまだ生きたいよ・・・



うちは暗闇の中でたくさんのことを考えていた。



「さくら!!」



「さくら!!」



「さくら!!」



いろんな人がうちの名前を呼ぶ声が聞こえる。



目を開けて返事しなきゃ!!!



うちは重い瞼を開いた。



その瞬間



うちの瞳にはたくさんの人の顔が映った。



「さくらぁ!!!よかった・・」



みんなの安心したような声が聞こえた。











「さくら、大丈夫??」


友達の恵梨が声をかけてきた。


「うん」


うちはなるべく明るく返事をした。


「よかったぁ!!ぢゃぁ今日は遅いけぇまた明日来るね!!」


「うん、ありがと…」


みんなが帰ったあと近くに置いてあった時計を見ると


夜の8時半を過ぎていた。









それから暫くボーッとしていると



「消灯時間10分前です」



と言う放送が流れた。



時計を見ると8時50分。



少しすると電気が消えた。



カーテンが閉めてある病室は真っ暗だった。



ちょっと怖いな、、



そんなことを思いながら頭まで布団を被り



ゆっくり目を閉じた。



そして気付いた時には朝になっていた。




『さくらちゃん、体調はどう??』


看護婦さんらしい人が声をかけてきた。


『大丈夫です』


うちは小さな声で答えた。


看護婦さんは


『よかった!ご飯食べれたら食べてね!!』


そう言って持ってきた料理を置いていった。


うちはそれを少しだけ食べた。





少しして母親が着替えなどを持って来た。


『さくら、おはよう!!』


『おはよう!!』


それから花瓶の水を替えて帰って行った。


ヒマだなぁ…


うちは窓から空を眺めていた。


ベッドの周りはカーテンで囲まれている。


そのカーテンの向こうから聞こえてくる楽しそうな声。


いろんな人がお見舞いに来てるんだろうな、、


うちは少し淋しくなった。





うちはトイレへ行こうとベッドから起き上がってカーテンを開けた。


そして部屋のドアを開けて廊下へ出た。


部屋の外の壁には4人の名前が書いてあった。


つまりうちがいた部屋は4人部屋ということだ。


そしてうちが寝ていた場所は窓側で空が良く見えるいい場所だった。






トイレへ向かう途中2人の男の子とすれ違った。


うちはその内の1人の笑顔に目を奪われた。


そして一目惚れしてしまった。


その日までうちは一目惚れなんて有り得ない!!って思ってた。


何で相手の性格も知らないのに好きになれるんだろう?って思ってた。


それに、つい最近 彼氏と別れてもぅ恋なんかしないって思ってたはずなのに…


それなのに一目惚れって…


うちはそんな自分に少し呆れた。


でも、それは運命だったんじゃないかな??


彼氏と別れたことも事故に遭ったことも


きっと君に出会うためだったんだと思うよ。。






トイレから戻ってカーテンの外から聞こえてくる声に耳を傾けた。


どれも他愛のない話。


だけどそんな他愛のない話でも羨ましかった。


『ハーーー…』


大きな溜息を吐いて誰かがお見舞いに来てくれることを期待していた。


その時カーテンの向こうから誰かが


『さくらちゃん??開けてぃぃ??』と言った。


聞きなれない声…


だけど【さくら】って私のことだよね??


そう思い『どうぞ』と答えた。


そして開かれたカーテンの向こうには見たことのない女の子が立っていた。


『私、澤野美由!!

ここの2つ隣の部屋に入院してるの!!よろしくね!!』


うちは小さく頷いた。


『さっき看護婦さんに


私と同い年でさくらちゃんっていう子がいるって聞いて急いで来たの!!


さくらちゃんも中学2年生でしょ!?』


『うん!!美由ちゃんも??』


『そうだよ!!私たちぃぃ友達になれそうだね!!』


これが美由ちゃんとの出会い。


明るくてとてもかわいい子というのが美由ちゃんの第一印象だった。