もぅ恋なんかしないって思ってた。
だけどね、そんな気持ち
君と出会って一瞬でなくなったんだ。
あの日の不幸は神様が創り出した運命なのかもしれない。
今でもそう思う。
もしも神様が創った運命の道を
2人で歩くことができたなら
どんなに幸せだっただろうか・・・
もしも気持ちを伝えることが出来たなら
どれくらいの喜びを分かち合うことができただろうか・・・
踏み出せなかった1歩。
あと少しの勇気を出せばよかった。。。
始まりはあの日。
春休みが終わりかけた4月のことだった。
当時付き合っていた彼氏から1通のメールが来た。
【別れよう】
知らない間に涙が零れた。
【昨日まで好きって言よったじゃん!!!】
【ごめん】
男なんてそんなもんなんだと思った。
そして、もう恋なんてしない!!
男なんか必要ない!!と思った。
うちは彼氏と別れて特にやることもなく
その日も仲のいい友達と遊んでいた。
そして その日の帰り道
家まであと少し!!
そう思って角を曲がった瞬間
1台の車が目に入った。
その車は凄いスピードを出していて
大きな音を立ててブレーキをかけた。
だけど間に合わずに
ドーーーン!!!!
うちは車とぶつかった・・・
どうなるのかな・・・
死んじゃったりしないよね・・・
まだまだ生きたいよ・・・
うちは暗闇の中でたくさんのことを考えていた。
「さくら!!」
「さくら!!」
「さくら!!」
いろんな人がうちの名前を呼ぶ声が聞こえる。
目を開けて返事しなきゃ!!!
うちは重い瞼を開いた。
その瞬間
うちの瞳にはたくさんの人の顔が映った。
「さくらぁ!!!よかった・・」
みんなの安心したような声が聞こえた。
「さくら、大丈夫??」
友達の恵梨が声をかけてきた。
「うん」
うちはなるべく明るく返事をした。
「よかったぁ!!ぢゃぁ今日は遅いけぇまた明日来るね!!」
「うん、ありがと…」
みんなが帰ったあと近くに置いてあった時計を見ると
夜の8時半を過ぎていた。
それから暫くボーッとしていると
「消灯時間10分前です」
と言う放送が流れた。
時計を見ると8時50分。
少しすると電気が消えた。
カーテンが閉めてある病室は真っ暗だった。
ちょっと怖いな、、
そんなことを思いながら頭まで布団を被り
ゆっくり目を閉じた。
そして気付いた時には朝になっていた。
『さくらちゃん、体調はどう??』
看護婦さんらしい人が声をかけてきた。
『大丈夫です』
うちは小さな声で答えた。
看護婦さんは
『よかった!ご飯食べれたら食べてね!!』
そう言って持ってきた料理を置いていった。
うちはそれを少しだけ食べた。