びっくりして見ると同じクラスのアキエだった。


「アキエ!?」

「ハルアキ、何してんの?ヒマなら遊びに行かない?」

「俺は彼女と一緒に帰んだから、ムリ!」


〝え~っ!つまんな~い!″と言いながら、頬を膨らませ、さらに俺の腕に絡み付いた。


男だったら、アキエみたいな女の子がいいんだろうけど…


俺達のやり取りをマキちゃんが見ていたなんて気付きもしなかった。


その後、いつものように図書室でマキちゃんは本を読み、俺はその様子をニヤニヤしながら見ている。


いつもツンとした表情で本を読んでいるマキちゃんだけど、今日は様子がおかしい。


悲しそうな、切なそうな顔で本を読んでいる。


どうしたんだろ?


名前を呼ぼうとした時…


ガタッと音を起てて、マキちゃんは本棚の方へ行ってしまった。


いつもはすぐに戻ってくるんだけど、今日は戻って来ない。


やっぱり、今日のマキちゃんはおかしい。


心配になり、探しに行くと立ったまま本棚に背中を付け、俯いて本を読んでいた。


ホッと安心して、近付くと体が震えていた。


「マキちゃん?」


俺の声にびっくりして、体がビクンと強ばったのがわかった。


それでも、マキちゃんは俯いたまま。


「具合悪いの?」


俯いたまま、問いかけに首を横に振るけど心配で顔を覗きこんだ。


!!!!!!!!!!!!!!


マキちゃんの瞳にはこぼれ落ちそうになるくらいの涙が溜まっていた。


「どうしたの!?何かあったの?」

「…っ……な…の…」

「えっ?」

「イヤ…なの…」


マキちゃんの声は消えてしまいそうなくらい弱々しく震えていた。