「ユリは俺のだから、手出さないでくれる?」


シンは合コン男の顔を真っ直ぐに見つめて言い放った。


そして、私の手を強く握りしめ、何も喋らずにグイグイ歩いていく。


当然、怒ってるよ…ね?

そして、連れてこられたのはシン部屋だった。


シンは私に背を向け、定位置に座り溜め息をついた。

ガシガシ頭を掻いている。

私は何も言えず、ただその場所に立ち尽くしていた。

お互い何も喋らず、部屋には沈黙が続いていた。


また、シンが溜め息をつくと私の方を振り返った。


「ユリ…」


そう言って、座ったまま両手を広げている。


私はゆっくり近づき、シンの腕の中に入った。


すると、ギュッと力強く抱きしめてきた。


「ユリ、あの男誰?俺のユリなのに…俺以外の奴がユリ触るなんて許せねぇ!」

「シン…」


「俺、ユリと連絡取れなくなって…すげー怖かった。俺、マジでユリの事好きだ…別れたくない。」


シンは腕の力を緩め私の体を離し、真っ直ぐ見つめてきた。


「ユリは?俺と別れたい?」


胸が熱く苦しくて言葉がうまく出て来ない。


目の前が涙で歪んで見えなくなってくるのがわかる。

「ユリはどうしたい?」


シンが優しく問いかけるので首を横に振った。


「シンと別れたくないよ~!やっぱり、好き~!」


泣き出した私の頭をヨシヨシと撫でてくれるシンの顔が優しくて胸がキューンと高鳴った。


「ユリは俺のもんだから、これからもずっとそばに居てくれよな。」


「シンもずっ~とそばに居てね。」


恥ずかしくなって俯くと名前を呼ばれ、ふいに顔を上げた瞬間…


チュッ…


キスをされ、お互い恥ずかしくて笑ってしまった。


× ×  × × ×

その後シンの友達から聞いた話しによると…


シンは合コンに行くたび、私の写メを女の子達に「俺の彼女、かわいいだろ~♪」って見せびらかし、すぐに帰ってしまったんだって。


シン、疑ってごめん。


大好きだからね、シン。


*END*