「アリマ、かっこい～♪」

雑誌を見ながら、独り言を言っていると突然、後ろからギュッと抱き締められた。


「誰がかっこい～って？」

「アリマ！お帰り♪」


「また、雑誌の俺見てる！いっつも言ってるじゃん！本人がいるから雑誌とか見るなって！」


「だって…」


「だって？どうしたの？」

後ろから抱き締められていたのに、いつの間にか私はアリマの脚の間にいた。


「だって、雑誌のアリマも見てみたかったの！」


「俺はマユの全てが見たい♪」


「もう！」


アリマは高校からファッション雑誌のモデルをしていて今ではトップモデル。


そして、私と高校から付き合って５年になる。


高校を卒業と同時に一緒に暮らし始めた。


アリマはモデルとして活躍している中、私はというとカフェの店員をしている。

実はアリマに隠している事がある…


今、モデルとして活躍しているアリマの重荷になってしまいそうで、言い出せないでいた。


「なぁ、マユ？何か隠し事してない？」


「えっ？な、ないよ！」


「ホントに～？」


「う、うん！」


また、嘘ついちゃった…けど、言えないよ。


アリマに言ったらどんな顔するんだろう…


×××××××××××××××


アリマに隠し事をして１週間が過ぎてしまった。


言いたいけど、アリマに何て言われるか不安で怖い。

その事で頭がいっぱいで夜も眠れず、食欲もなかった。


「マユちゃん、顔色悪いよ？今日は帰った方がいいんじゃない？」


「すみません…大丈夫ですから…」


―ガタン


急に目の前が真っ暗になり、その場に座り込むと同時に意識が遠退いていく感じがした。