・・・・・


・・・ん


あっ、いつの間にか眠ってしまったんだ…


・・・ん?


なんか、手が変なカンジすんな…


手の先に目をやるとサヨちゃんが俺の手を握っている!


そして、サヨちゃんを見ると手を握って、座ったまま眠っていた。


幸せそうな顔して寝やがって…


その寝顔がかわいくてドキドキしてしまった。


少しの間、サヨちゃんの寝顔を見ているとゆっくり目を覚ました。


「あっ、ごめんなさい!いつの間にか寝ちゃったみたいで…」


慌てるサヨちゃんがかわいくてニヤけてしまう。


「サヨちゃん、手…」


「手?」


「そう、手。」


サヨちゃんは俺の問いかけに理解できないみたい。


握ったままの手にギュッと力を入れてみる。


あっ!って顔をして手を見るサヨちゃんの顔が赤くなって行く。


そして、離そうとするサヨちゃんの手をギュッと握って離さない。


「あ、あの…。テツロウさん?」


今、無性に俺の気持ちを伝えたくなった。


風邪っ引きでも今ここで言わなければ、男が廃るってもんだ!


フラれるのを覚悟して…


「サヨちゃん…こんな時に言うのも何なんだけど…」

そう言いながら、起き上がりサヨちゃんの顔をまっすぐ見つめた。


サヨちゃんも黙って俺をまっすぐ見つめた。


「俺…俺さぁ、サヨちゃんの事…好きなんだ。だから、付き合って下さい!」


サヨちゃんを見つめていると頬を赤くしてニッコリ笑って頷いた。


「マジ!?」


「はい!」


「やったー!ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ…」


「もう、無理しないで下さい!今、お粥温めて来ますね。」


今年は初っぱなからいい事ねーなんて思ってたけど、あり過ぎじゃね?


夢でも見てんのかな?


「テツロウさん、お粥出来ましたよ♪フーフーしてアーンしますか?」


かわいく笑うサヨちゃんがスプーンに乗せたお粥を差し出した。


夢ならさめないでくれ!


「熱っ!夢じゃねぇ!」


*END*