「マジ、やべぇ…ゲホッ、ゲホッ…」


新年そうそう、風邪引いて寝込む俺ってありえねぇ…

やっぱ、年末にみんなでどんちゃん騒ぎして、そこら辺で寝てたせーかな?


今年は初っぱなからいい事ねーな…


このまま風邪死でぬのかな俺…


こんな時、1人暮らしって寂しいな…


彼女がいればさぁ、『大丈夫?』…


「大丈夫?」


とか、あとは『 何か食べたい物ある?』とか…


「何か食べたい物ある?」

そうそう、目を開けたら、心配してる彼女の顔があったりするんだよなぁ。


!!!!!!!!!!!!

「えっ!?なんで!サ、サヨちゃんがいんの!?…ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ」


「大丈夫ですか!?」


夢でも見てんのか?


びっくりしてガバッと起きたせいで咳が止まらなくて、サヨちゃんがやさしく背中を擦ってくれた。


サヨちゃんは俺のバイト先の2コ下の後輩。


ちっちゃくて、かわいい女の子で狙っているヤローはたくさんいる。


「バイトに行ったら、店長にテツロウさんが風邪を引いたって聞いて…心配で来ちゃいました…」


サヨちゃんは頬を赤くして俯いた。


か、かわい~♪


抱きしめて~!


押し倒して~!


今の状態でこんな事を想ってしまう俺って…ヤバいヤローだな。


密かにサヨちゃんの事が好きだったりするんだけど…

「テツロウさんは寝てて下さいね!」


サヨちゃんは俺を寝かせ、キッチンに立った。


横になったまま、小さな後ろ姿を見つめていると時々サヨちゃんが振り返り、やさしく微笑んでくれる。


なんか、こういうのっていいよな~♪


新婚さんみたいでさっ♪


うわっ、なにハズい事思ってんだ!