「翠は、商店街の朔耶をみて泣いた」 南大寺さんのこと、呼び捨てにした。 「そこには、きれいな女性がいた。いつもの朔耶ではなかった」 確かにそうだ。 「では、その女性は誰なんだ」 そっか・・・ 「も、もしかしたら、お姉さんって可能性もあるよね」 「馬鹿か」 少し怒りを含んでいるような声。 「翠。あんまり、世の中甘く見るなよ」 「は、早瀬・・・?」 何かいつもの早瀬じゃない気がする。