マサキが部屋に帰って来たのはそれから一時間経ってからだった。

杏も一緒だ。


マサキ、
「おっ!翼や!!」


杏、
「翼くんだ!!泊まりにきたの?」



翼、
「…あ、うん。」



リョースケ、
「今日、杏チャンも泊まってくんだよね~?」
翼、
「え?」


翼は驚いて思わず声が出てしまった。

杏はちょっとショックを受けて言った。

「あ、あたし帰ろっかな。四人は多いよね…」




マサキ、
「大丈夫やろ!この前シオも来てたし。」


(シオ…)
翼の胸がチクリと痛んだ。



翼、
「マサキの部屋、狭いけど物がないから全然大丈夫だよ!」


「そうだね!!」
杏はうれしそうに言った。




マサキ、
「お前ら、人の部屋を…」



リョースケ、
「じゃあ、晩御飯がかり!ジャ―ンケン…」



『ポイッ! 』






杏と翼がパーで負けた。



リョースケ、
「夜は危ないから二人で行ってきて!」


杏、翼
『ええ!!』


マサキ、
「俺、焼きそば―!」

リョースケ、
「俺はねえ…唐揚げ弁当!」




杏と翼は分かりやすく戸惑っていた。




翼、
「じゃあ、行く?」



杏、
「あっ、うん!」






二人ははにかみながら出ていった。