それからは毎日、試合に追われる日々が続いていた。


ある日、マサキがキレた。

「家賃四つに割るぞ!」


試合の朝は早い。
六時には大学の駐車場に集まって、車を持っているタクさん、ヨースケさん、カズさん、マサキの車四台に乗りこんで試合会場にむかう。




遅刻魔のシオと、リョースケと翼は最近マサキの部屋に泊まりこんでいる。いや、もはや住んでいる。

朝四人なら誰か一人はアラームに気づくだろう、そう言ってなんの遠慮もなくマサキの部屋にあがりこんだのだった。



「泥まみれの試合着をそのまま洗濯するわ!汗くさいまま布団に寝るわ!」

キレるマサキ。

三人は布団の上に正座した。


「むっさい男ばっか集まってきやがって!」


リョースケ、
「すませ―ん。シャワー浴びてから寝ます!」

翼、
「試合着はコインランドリーで洗います!」

シオ、
「いや、むしろ洗濯しません」


マサキ、
「いや洗濯はしろ!」

リョースケ、
「むっさいのは…、ボクの爽やかスマイルでなんとか!」


マサキ、
「お前が一番むっさいんじゃボケ―!!」






ガチャッ


「にぎやか―♪」
杏がスーパーの袋を持って入ってきた。



リョースケ、
「杏チャ―ン!!」


シオ、
「これでむっさいなんて言わせないぞ!マサキ!!」


マサキ、
「杏の代わりにリョースケ出てけ!」


リョースケ、
「はっ!杏帰れ!今すぐ!!」


杏、
「は?ふざけんな!

帰ってもいいけど―、いいのかなぁ~?

あたしが持ってんの何でしょう?」



ガチャッ!


「お待たせ!」
アツシが入ってきた。ホットプレートを持っている。

マサキ、
「おいコラッ!」




杏、
「ジャーン♪」


杏は袋の中身を机の上にひろげた。




リョースケ、
「肉いっぱい~!!」


翼、
「え!どうしたのコレ?」


杏、
「カズさんからの差し入れだよっ!」


アツシ、
「焼肉だあ―!!」


シオ、
「やったあ―!!」