それからは落ち着いていた。



アツシのミットに吸い込まれるかのように、構えたところに寸分のズレもなくボールが投げられていた。






試合が動いたのは五回、表の攻撃のとき…。




ワンアウト、カウント2‐3

バッターは一番のタクさん。

相手ピッチャーの決め球のスライダーをセンター前にはじきかえした。



続く2番のヨースケさんがきっちりと送りバントを決め、

ツーアウト、ランナー二塁。


次のバッターは…

翼だ。