アルバムには、みんなと撮った集合写真もある。
まだ見ていない私は、見る事を何故か躊躇っていた。
どんな顔をしてるんだろう。ちゃんと笑えているのか。
式で見た、あの写真が衝撃的すぎて、未だに忘れられない。
何であんなに自然に笑えていたのか。
他の写真は、自分で見ても冷めているようにしか見えなかった。
スッキリしない気持ちが、いつまでたっても胸の奥に居座っている。
瑠衣斗の言葉も、なにもかも。
「もものドレス、本当に綺麗。美春嬉しかったあ…」
「美春だから綺麗なんだよ」
うっとり言う美春は、懐かしむような目でアルバムを見ている。
私が着ても、きっと反対にドレスに着られているようになってしまうと思う。
本当に美春だからこそ、綺麗に着こなせたんだと思う。
「ううん!!もものママが着たドレスだもん!!親子なんだから似合うに決まってるよ♪」
「ん〜…どうかな?でも、ありがとー」
私はきっと、着る事ないけどね。
お母さんがドレスを残していた理由も知らない。
私に残しておいたなんて考えつかない。
「美春は、ももママ着て欲しいと思うけどなあ?ちょっと手直しすれば絶対着れるよ」
「はは、そうかもね」
母と父の思い出が詰まったあの部屋に入った記憶が、胸を締め付ける。
それでも、認めようとしない自分が大半を占める。
「でも……そんな事絶対考えてないと思う…けどね」
私はいつから、こんなにひねくれた性格になってしまったんだろう。