「思い出したらすぐ分かる?」

オウム返しに聞き返す私に、瑠衣斗は嫌味のような盛大なため息を吐いてみせた。


「…全部繋がる。今までの事も、俺の言いてえ事も」



なに…それ。

るぅの言っている意味が分からない。


そもそも約束した事すら覚えてない。


いつ?どこでそんな約束した?


黙り込んでしまった私を見ないまま、瑠衣斗は口を開く。


私はただじっと瑠衣斗の言葉を待つしかない。



「俺の気持ちも」



スッと顔を上げた瑠衣斗は、真っ直ぐ私を見つめた。


真剣な顔をした瑠衣斗に、私は口を開くことがますますできなくなってしまった。



るぅの…キモチ??



「だから早く思い出せ。俺も気はなげえ方だけど我慢の限界」



言ってる意味が分からない。


何が繋がるの?

今までの事って?るぅの言いたい事って?るぅのキモチって……?



「……分かんないよ…」


「まあ〜…今はいいよ」



そう言ってフッと笑った瑠衣斗は、何だか悲しいような笑顔で私を見つめた。


だから何で……そんな顔するの?



胸がギュッと絞られるように、苦しくなる。


思い出せないもどかしさに、心の中はすっかり雨雲色でグルグルしている。



私は、思い出せるの?


本当に約束なんかしたの??



切ない胸の疼きに、私は何とも言えないこの感情をどうする事もできなかった。


「待つから。でもあんま待たせんな」



そんな優しい言葉でさえ、今の私には苦しくて仕方がなかった。