「や、その話は…ね?はは」
笑って誤魔化しても逃がしてはくれないだろうけれど、笑うしかない。
免疫がないんだってば!!何でそうズバズバと核心に迫ろうとするワケ!?
「もお!!いいじゃ〜ん。もものそーゆう所新鮮だし聞きだいもん!!」
「や…だから何もないからさ、その話はもう…」
「まじなのかよ!!慶兄何やってんの?男の子でしょうに!!」
しまった!!自分からネタを提供してしまうなんて!!
「ほ〜らね?ちゅうぐらいはしてるんでしょお〜?」
「………」
思わずドキリとして、喉が詰まって言葉が出ない。
冷や汗が額から背中にかけて溢れ出るようで、身を固めた。
「ぎゃはははは!!分かりやすいなぁまじで!!」
「もぉっ!!もも可愛い〜!!」
きっと、茹でダコのように真っ赤になっている顔を、口をつぐんで目を伏せた。
未だに笑い続ける二人に、何も言う事ができず、頭から湯気でも出ている気がした。
「あ、ねえ。そう言えば宗太戻ってこないねえ?遅くない?」
やっと笑いを引っ込めた美春が、不思議な顔をして宗太が出て行った扉を振り返った。
「便秘じゃね〜?」
話がそれた事にホッとして、思わず額に手を突いてため息を吐いた。
ドッと疲れが襲ってきて、背中を丸めた。
これから気を付けよう……。