覚悟もなにも、そんな事しなくても、私はずっとるぅと一緒に居たいよ。
どうしたらこの気持ち、全部伝わるかな?
甘く爽やかな瑠衣斗の香りを、胸一杯に吸い込む。
るぅを好きになって良かった。
出会えて良かった。
泣きすぎて頭がぼーっとして、体が鉛のようにずっしりと重いけれど、意識はやたらクリアだ。
私が家族を失った事に、意味があるのなら、瑠衣斗との出会いにはどんな意味があるのだろう。
出会いと別れを繰り返す世の中で、こうして瑠衣斗と繋がった道の先には、どんな未来が広がるのだろう。
るぅは居なくならないって約束してくれた。
お願いだから神様、私からるぅを奪わないで。
切ない気持ちに、胸が再び締め付けられる。
こんな時期だから、私はこんな事ばかり考えちゃうのかな。
そんな気持ちを隠すように、ギュッと瑠衣斗の首筋に回した腕に力を込めた。
雨は降り止みそうにない。
私の記憶を鮮明に、蘇らせていくこの音。
うまく全部を吐き出す事ができたなら、私は変われるのかな。
これを乗り越える事ができたなら、私は強くなれるかな。
すれ違うだけの人に、らななくて良かった。
―fin―