ズキンと合図のように始まった痛みに、思わず眉を寄せた。
久々のようにも感じ、普段からあったようにも感じる痛みに、胸がほろ苦くなる。
締め付けるような痛みは、どんどん増し、意志を持つように主張しだす。
「もも?どうした?」
由良さん達から視線を外し、当てもなく一点をじっと見つめたままの私に、瑠衣斗の不思議そうな顔が視界いっぱいに広がった。
思わずグッと息を呑むが、痛みのせいか反応もできなかった。
また、余計な心配かけちゃう。
そう思った私は、ぎこちなく口角を上げた。
でもそれは、逆効果だった。
「体調悪いのか?」
やっぱり刻まれた瑠衣斗の眉間の皺。
不安に瞳が揺れ、私をじっと見つめる。
肩に手を添えられ、その温もりに胸が痛む。
「ううん。平気だから」
小さく横に顔を振ってみても、瑠衣斗の表情は緩まない。
それどころか、何だか少しずつ怒っているようにも感じてきてしまう。
心配かけまいと思えば思う程、振る舞えば振る舞う程、そんな私を瑠衣斗は見逃してはくれなかった。
「ウソこけ。顔色が悪いが?」
何だか少し冷たい、トーンの低い瑠衣斗の声に目を伏せた。
情けない。こんな私、見てほしくないのに。
やっぱり…帰って1人家で過ごすべきだった。