何度も何度も、確かめるように求めてくる唇に、頭がクラクラとして思考が飛びそうになる。



気持ちが止まれない所まできている事は、自分でもよく分かる。


でも、それとは違う別の不安。



なんでこんなにも、切なくなるのだろう。



軽くチュッと唇を押し付けられ、離れていく瑠衣斗の唇。


ふっと目を開けると、顔を赤く紅潮させた瑠衣斗が、熱く私を見つめていた。



「これ以上は、ヤバい」



「……え」



「決心が鈍る」



グッと堪えたように、唇をきつく結んだ瑠衣斗に、頬が緩む。


こんなにも大切にしてくれて、こんなにも思ってくれて、何だかとても贅沢な気分になる。



瑠衣斗のそんな気持ちを大切にしたくて、早く決心しなきゃいけないな。なんて密かに思う。



「シャワー…浴びに行かないでね?」



「う…うん…」



「寂しくなるから」



「…お前…なあ…」




はあ、と盛大な溜め息をついた瑠衣斗が、恨めしそうに私を見る。


訳の分からないまま見つめ返していると、また溜め息をつかれ、余計に分からなくなる。



あれ…?なんだろ。なんかダメな事言った?



小さく首を傾げた私に向かい、そんな様子を見ていた瑠衣斗が小さく笑う。



「反則だろう?そんな可愛い事言うなよ。……いや、違う。むしろ2人の時は、もっと言え」