「明日一緒に行こうね」


「…行くぅ〜」



軽く俯くようにして口を尖らせて言う美春に、思わず笑みがこぼれた。



素直な気持ちを素直に表す美春が可愛い。


私も、慶兄と付き合うようになってから、少しは素直になったかな……?



「…お、るぅだ」



派手な着信音と共に、宗太が立ち上がり携帯を耳に当てながら部屋を出て行った。


「…何で出てくんだろうね?」

「ウンコじゃね〜?」



美春の疑問に、サラリと下品な事を言いながら欠伸をする龍雅が、何だか凄く思えた。



とっても下品なんだけども。



「ふ〜ん。そっか」



そして、それで納得してしまう美春もある意味凄い単純だと思った。



絶対にバレたらいけないと思えば思う程、墓穴を掘ってしまいそうだった私は、少しホッとしてソファーにもたれ掛かった。


「ねぇ、もも。慶兄元気?」


「ん?元気…かな?仕事忙しそうだけど」



あれから、何度か慶兄と会ったり泊まりに行ったりもしていたが、私は私でやる事があって少し手伝ってもらったり、慶兄が疲れてだいたい先に寝てしまったりで、特に進展といった進展はなかった。



なかったと言うよりも、慶兄は私を抱き締めたり、キスをしたりするだけで、それ以上の事はしてこなかった。



たまにイジワルはされるけど……。



「まだエッチしてないんでしょ?ありえない!!」


「へ!!まじかよ!?嘘だろ!?」