え…?
「その〜なんだ、あからさますぎるだろう?ももだって気を使うと言うか…何と言うか」
そんな瑠衣斗の言葉に、ドキッとすると同時に、胸が暖かくなる。
こんな時にでも、一番に私の気持ちを考えてくれていると言う事に、嬉しかった。
少しバツの悪そうな顔をする瑠衣斗は、私から慌てて視線を外し、新聞に目を通す。
寄り添うようにして目を伏せているももちゃんにも、思わず頬が緩んだ。
「ねえるぅ。新聞逆さまなんだけど」
「…え!!あっ!!」
「…大丈夫?」
思いっきり動揺を隠せていない瑠衣斗に、ついに堪えられなくなり、笑いが漏れる。
1対7じゃ、勝てっこないよね。
しかもみんなあんなだし。
「はあ〜…大丈夫じゃねえ。いきなりすぎんだよアイツら」
「大変だったみたいだね」
「…笑ってんなよ」
せっかくみんなが気を回してくれたし…もうちょっとここに居るべきなのかな?
それに……。
「るぅの地元のお祭り、行こうよ」
「へ?」
「お祭り」
一瞬何を言われたのか理解できてないような瑠衣斗に、私は小さく笑って見つめた。
ポカンとした表情の瑠衣斗の頬が、徐々に赤くなり、しまいには耳まで真っ赤になってしまう。
「2人で行こう?」
もう少し、ここに居たい。
るぅと一緒に居たい……。
そして、帰ったらまた1人になってしまうような、そんな不安もあった。