「おっせえーよ!!待ちくたびれたじゃねえか!!」



「女の子はお風呂長いんですぅ♪」



部屋へと戻ると、早速龍雅の小言から始まり、見ると何やら小さな宴会が始まっているようだ。



その中に、慶兄の姿を発見して、一瞬ドキリとする。



何だかんだ、慶兄と話をする事もできないまま、こんな時間になってしまっていた。


輪の中にはもちろん瑠衣斗も居て、何故か少しムスッとしたようにして目を伏せている。



あれ……どうしたんだろ?

慶兄にいじめられたのかな?



瑠衣斗の様子が気になりながらも、せっかくこうして久しぶりにみんなが集まった事に嬉しく思いながら、美春と共に輪の中に混ざった。



いつものように、相変わらず飛び抜けてお酒の強い俊ちゃんを筆頭に、男子は全員お酒の相手をさせられている。


慶兄はのんびりと自分のペースで飲んではいるが、龍雅と宗太はまんまと餌食になってしまっていた。



そしてそんな中、珍しく酔っていない様子の瑠衣斗に、ふと違和感を覚える。



結構な量を飲んでいるはずなのに、少し頬が赤く染まる程度で、意識はハッキリとしているようだ。



「るぅどうしたの?」



何かやっぱり…様子が変。



そんな私の言葉に、ゆっくりと視線を上げた瑠衣斗だったが、すぐに視線が外されてしまう。



「いや?どうもしてない」




何だか胸騒ぎがして、胸がキュッと縮まる。


あれ?私、何かしたっけ……。



意味の分からない私は、そんな瑠衣斗の態度に、何だか無性に悲しくなったのだった。