「な、なに…?どーゆう事?」



「ちょっとおー!!!!なになになにっ!?どーなってんのお!?」




俊ちゃんの驚いた声と、美春のパニック寸前と言うような声。


そして、驚いたように目を見開いた後、意味深にニヤリと笑った慶兄。



対して、もう関係を知っているみんなは、ニヤニヤと楽しむようにそんな状況を見ている。



ど…どうしよお…こんな状況予想もしてなかった!!



いきなりまさかこんな状況が訪れるなんて、予想もしなかったせいか、頭の中が真っ白になる。


できれば美春には、2人きりで話がしたかったんだけどな……。


って、そんな場合ではないのかもしれない。



「…あのさ、付き合う事になったから」



そんな私の思考を遮るかのように、真剣な瑠衣斗の声が響く。


あれこれ考え過ぎて、もう頭の中がぐちゃぐちゃだ。


美春の事はもちろん、俊ちゃん、慶兄の事。


それぞれの反応に、過敏になってしまう私。



キョトンとした隼人君が、みんなの顔を見渡す。


いかにも訳が分からない。と言うような表情は、少し戸惑ったようにも思える。



「ええぇぇぇ〜〜〜〜!!!!」



「なんだ、やっとか。瑠衣斗がもたもたし過ぎなんだ」


「うん。ホントだよなあ」



美春の驚いた声を合図に、慶兄と俊ちゃんがしみじみとそんな事を言う。



思っていた以上に、穏やかな笑顔を向けてくれる俊ちゃんと慶兄に、少なからずホッとする。


俊ちゃんに背中を思い切り叩かれた瑠衣斗が、驚いたように瞬きをして俊ちゃんを見る姿に、ちょっとだけ気持ちに余裕ができたようだ。



「ホントに…?ホントなの?」



それとは対照的な美春の表情は、まだ驚きに固まったままだった。