少しむくれたような俊ちゃんのお父さんが、口を堅く結びながらも、軽くあ頭を下げながらも美春のお父さんにマイクを渡した。
そんなやり取りが、また可笑しくて笑いが周りから漏れる。
そんな、マイクを受け取った美春のお父さんも、ペコペコと頭を下げながら一言二言何かを言うと、マイクを持ち直した。
『え…え〜…とだな、えー、美春、俊君。これからもいつでも遊びに来なさい。…俊君。美春は我が儘で何もできないが、大切にしてやって下さい。二人で協力して、仲良くやってくんだぞ。喧嘩した時はとことん喧嘩しなさい。……以上!!』
えぇ〜〜……おじさん…。
再び笑いが起こる中、おじさんはおばさんへとマイクを渡し、真っ赤な顔をハンカチで拭うと俯いてしまった。
相変わらず可愛い人だなぁ…。
そんな両親を、美春と俊ちゃんは時々顔を合わせながらクスクスと笑っていた。
普通…感動する所だったりするんだよね?こーゆう…両親への手紙とかさあ、…根本的にまず逆だけど。
マイクを受け取った美春のお母さんは、美春と俊ちゃんに目を向けると、優しく笑みを浮かべながら口を開いた。
『美春…結婚おめでとう。あんなに小さかったのに、いつの間にか好きな人を見付けて、恋愛をして、結婚をするなんて…まだ夢のようです』
心なしか、声が震えているおばさんの言葉は、私の心に染み入るようだ。
『ずっと…ももちゃんももちゃんて言って、小さかった頃から一緒に居て、二人で一緒に成長してきたのにね。早いものね』
突然出てきた自分の名前に、胸がぐっとした。
ずっと、昔から知っている美春の両親。
二人からすれば、私も娘のようなモノかもしれない。
『素敵なお友達も沢山作って、大好きなももちゃんとお友達がこんな素敵な結婚式を計画してくれて、美春は幸せ者ね』
もう私は、何も考える事もなく、おばさんの顔をじっと見つめていた。