「何でそうなっちゃうのお!?」



慌てる私をよそに、楽しそうに瑠衣斗が八重歯を覗かせて笑顔を見せる。


悪戯っ子にしか見えない瑠衣斗に、しっかりと押さえつけられてしまっている私は、やっぱり力で適う訳がない。



「だって返事もくれねえじゃん?」



グッと腰に当てられた手に力を入れられ、更に引き寄せられる。


今更、今の体勢に恥ずかしくなり、顔が熱くなる。



ひぃ〜〜〜!!!!どうしよう!!!!


やだやだ、恥ずかしいよ!!!!




そうだ、早く答えを言えばいいんだ。



「すっ、すっ、好き」



改めて言葉にするだけで、恥ずかしさでどうにかなりそう。


赤くなる私を見上げた瑠衣斗が、いやらしく口元を上げる。


この顔……何だかヤバい気がする。



「ん〜?俺が今聞きたいのは、答えなんだけどなあ」



「えっ」



何て言えばいいのかな…つ、付き合いたい?付き合う??



悶々と考える私を見上げていた瑠衣斗が、楽しそうに笑う。


そんな余裕綽々な態度に、私は更に慌ててしまう。



「えっと、ええ〜と…つ…付き合う…?」



「ぶー。時間切れ〜はい残念」



「え」



時間切れ?

時間切れ!?なにソレ!!



「8分。ペナルティな」



「ペナルティ!?ちょっとなにソレ聞いてな……っ」



言い切る前に、塞がれてしまった唇。


その唇の奥に、私の言葉は消えてしまった。