「もう、友達には戻れない……戻りたくない」



「…え?」



私を熱く見つめる瞳が、キラリと光る。


私の輪郭を確かめるように、優しく触れる瑠衣斗の指先。


胸に掛かる私の髪を一房すくうと、ゆっくりと目を伏せた瑠衣斗が髪にキスを落とす。





「俺と、付き合ってくれる…?」




下から見上げるようにして向けられた視線に、全身が固まるように動けなくなる。


真剣な顔をした瑠衣斗に、言われた言葉の意味を頭の中で繰り返す。




付き合う…?

るぅと、付き合う……。



ようやく頭の中で、言われた意味を理解した私は、ハッとするも言葉が詰まって出てこない。


付き合う…私と、るぅが…?




喉が震えて、声なんて出せない。

何だか景色が歪んでいくようで、目の前の瑠衣斗まで滲んで見えなくなってきた。



「俺の事、好きなんじゃねえの?」



生暖かいモノが頬を伝った途端、栓を抜いたように目の前の視界がクリアになる。


困ったように笑う瑠衣斗が、そんな私を抱き寄せ、抱えるようにして私を膝に乗せる。



そしてそのまま、優しく抱き締めてくれた。


瑠衣斗の首筋に口元を埋め、瑠衣斗の肩に私の涙が染みていく。



甘く爽やかな香りが、心が温かく染みていく。




「なあ…付き合ってくれねえの?」



笑いながら言う瑠衣斗に、私は更に涙を溢れさせた。



好き。大好き。


るぅが大好き。