戸惑う美春の隣に座っていた俊ちゃんが、照れたような緊張したような、感情の全てをまとめたような顔をして立ち上がった。
「だはは!!俊まじ緊張してんだけど!!」
「頑張れよ〜♪」
龍雅と宗太の声に、目に力を込めたように視線を移すが、緊張に手に汗を握る様子が伝わってくる。
スッと手を差し出して、戸惑う美春を立たせると、じっと美春を見つめた後に一度大きく深呼吸をした。
「美春ーーっ!!!!」
「………」
突然の俊ちゃんの叫びのような声に、ポカンとした顔の美春が固まった。
「俺は、一生美春と俺の子供を守ります!!苦労掛けるだろうけど、ずっと美春と笑いが絶えない家庭を築きたい!!生まれ変わっても、何度でも一緒になってほしい!!俺不器用だし、こんな事しか言えねえけど、美春に会えて本気で幸せだから!!まじ愛してる!!」
俊ちゃんの言葉に、美春が唇を震わせるようにして笑ったように見えた。
堪えていたモノが溢れ出すように、顔をグチャグチャにして次々と大粒の涙がキラキラと頬を伝う。
周りの歓声と暖かい拍手に包まれながら、俊ちゃんがポケットから何かを取り出し、泣き続ける美春の手をそっと取ると、キラリと輝く指輪を左手にはめた。
泣き続ける美春の頬にそっと触れ、優しく笑いかける俊ちゃんに対して、美春がガバッと抱き付き、何だか優しい気持ちになる。
ふわりとドレスを靡かせ、涙で頬を濡らした美春が、輝いて見える。
しっかりと抱き止めた俊ちゃんは、ホッとしたような苦笑いをして、優しく美春の背中を撫でた。
みんなの前での俊ちゃんのプロポーズと誓いの言葉は、本当に素敵なものだった。
そして、俊ちゃんのセリフは何か心を揺するようで、不思議な感覚にただ二人を見つめたのだった。