なだれ込む外からの風に、私は剥き出しの肌を晒される。


外からは、すっかり蝉の鳴き声が聞こえだしていて、暑い日差しを地面を照りつける。


そんな日差しのように、瑠衣斗の体温が、私をどんどん熱くする。


耳障りな程の胸の鼓動に、目を背けたくなる。




「俺さ…、ももに言わなきゃ……いや、違うな」



ギュッと後ろ抱きされたまま、瑠衣斗が私の耳元で呟く。


時間が止まってしまったような、そんな感覚。


瑠衣斗の全てが、私の動きも全て止めてしまうようだ。



頭では言葉を理解しているのに、私から言葉が出てこない。



「…もも?どうした?」



どっ…どうした?って…この状況でそう言っちゃう!?



「え…あの…服…着てもいい?」


「…………」



えっ、無視?ここで無視しちゃう?



お腹に回された腕は、緩みそうにもない。でも、かと言って私から身動きすらとるのも億劫だ。


ドキドキしすぎて、耐えられなくなってきた。



「お願いっ!!服きたい…」



目をギュッと強く瞑って、何だか泣きそうな気分で必死に言葉を紡ぎ出す。


恥ずかしさで一杯だという事、きっと完璧にバレてしまった。


恥ずかしさで、気絶できる自信がある。


そんな私のお腹から、ゆっくりと腕が解かれる。


以外にもあっさりと離された腕に、逆に戸惑ってしまうくらいに。