寝起きから刺激が強すぎて、顔を洗わなくても頭が冴える。
ドキドキと鼓動する心臓のお陰で、低血圧なんてならなさそうだ。
じっと私を見つめる瑠衣斗が、私に何とも言えない不安を胸に生ませる。
真剣な眼差しに、耐えきれなくなってくる。
時折瞬きをする瞳は、私をしっかりと捉えて離さない。
何だろう…何言い出すんだろうこの人は。
そう思うと、私は思わず口を開けていた。
「歯磨きと洗顔がしたい…」
ガックリと肩を落とした瑠衣斗に、心の中で謝っておいた。
なんか真剣そうな話だし…布団の中で聞きたくないな〜なんて思っちゃった。
ごめん。るぅ。
「マイペースは昔からだね〜」
やっぱり苦笑いしながらも、私の言葉に体を起こした瑠衣斗は、そのまま立ち上がる。
横になっていると忘れちゃうけど、るぅって本当に足長いなあ…。
顔なんかもちっちゃいし、その顔なんて見とれる程本当に整いすぎてるし。
体なんか筋肉質…き、鍛えてるみたいで綺麗だし。
私はなんでこんなにも…子供体型なんだろう。
せめて顔ぐらい救いようがあれば……。
「起きねーなら、また一緒に寝る?」
「起きます!!起きる!!」
私はシャコシャコと、歯磨きをした。